21年に及ぶ支援、
使命を果たし終了しました
チェンナイのスラム街に作られた幼稚園
インド洋に面したチェンナイは、「インドのデトロイト」と言われる工業都市です。経済発展と共に街の開発が進む一方、21世紀初めにはチェンナイの海岸に広大なスラム街が広がっていました。親が子どもの教育に関心を持てる環境になく、学校に通えない子どもたちが大勢いました。
ニルマラ・ニラヤム幼稚園は、そんなスラム街の子どもたちのために作られた幼稚園。2年間の就学前教育を受けられれば、公立小学校入学の切符を手に入れて、義務教育課程で学ぶチャンスが子どもたちに訪れる。「子どもの権利」を守る大切な事業であると判断し、支援を開始いたしました。当初は200人ほどの4歳児と5歳児を受け入れ、保護者の生活改善と育児教育のほか、スラムの女性たちの就業教育を目的とする幼稚園教師育成のほか裁縫やコンピュータースキル取得などの実践的なコースも提供していました。
支援の終了へ
それから21年が経過、チェンナイの街の様子は大きく様変わりしました。マリーナビーチのスラム街は撤去され、人々の生活は厳しい状況の中にも少しずつ改善してきているようです。ニルマラ幼稚園に通う児童も減少し、私たちESAもある一定の使命を果たすことができたと判断し、2022年度をもってニルマラ幼稚園の支援を終了する決断をいたしました。
この幼稚園出身者は、中高等教育まで進学し、様々な場所で活躍する人材として成長している、と現地から報告を受けております。これもひとえに皆様方の長期にわたる寛大なご支援のおかげ、と心より御礼申し上げます。ESAの支援を受けた子どもたちは2000人以上にもなり、皆貧困の中に生活しておりましたが、いつも遠く日本から応援してくださる誰かの温かい愛情を感じながら成長してきました。そんな彼らだからこそ、これからは国や地域を支えるリーダーとして活躍するであろうと確信しております。長期にわたり、ニルマラ・ニラヤム幼稚園をご支援いただき、本当にありがとうございました。これまでのご支援に深く感謝を申し上げ、一つのプロジェクトがその役割を終えることができた喜びを皆様と分かち合いたいと思います。
ニルマラ・ニラヤム幼稚園園長
ラニ・ステファンさんより
ラニ・ステファンとカルチュラル・アカデミーのDHMシスターたちから
皆様へ愛とご挨拶申し上げます。
私たちは、ESAの日本の支援者の皆様へ感謝の気持ちでいっぱいです。ESAからの支援を受けた21年間で、何千人もの子どもたち、若者たち、そして家族が、皆さんの愛に満ちた奉仕によって、教育の他に、家族への支援、医療の支援などの恩恵を受けることができました。ここで育った貧しい子どもたちは、現在は様々な場所で仕事を得ることができています。そのほかに幼稚園にたくさんの遊具や勉強道具を提供していただきました。また多くの女性が先生として、ヘルパーとして仕事を得ることができました。
今なお、その人たちは皆さんの想いとお心遣いに心から感謝しています。
「ありがとう」の言葉だけでは感謝の気持ちを言い尽くせません。
私たちの祈りはいつも皆さんと一緒です。
これからも私たちとの関係を続けてください。
私たちは皆、日本の皆さんの仲間です。
ニルマラ・ニラヤム幼稚園園長
ラニ・ステファン
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